モエルごみの日

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人は分からないものに祈る

高校時代の友達が経営している「ささらプロダクション」。2年前に最初の映画作品『オオカミの護符』が作られ(この作品は後に文化庁から賞を受けました)昨日は第二弾映画の封切りがありました。
『うつし世の静寂(しじま)に』という作品です。暑い暑い真夏の上映会に行ってきましたよ。さて、今回はどんな作品なのでしょう。

100725b.jpg

前回の作品は小倉さんの実家に古くから張られていたオオカミの絵のついた護符の謎をほどいてゆくという作品としての大きな柱がありましたが、今回の作品はそういう具体的に目に見える柱ではなく、敢えて言うならば人々の”祈り”を全体の流れとした作りになっているようです。

全体は4つの風景から構成されていて、それは「念仏講」「巡り地蔵」「谷戸の風景」「初山獅子舞」と、多摩の地で古くから行われている風習や暮らしの手仕事などにクローズアップしたものです。

私がびっくりしたのは念仏講や巡り地蔵それから無尽講など、話では聞いたことのある風習がまだこの地で行われているということ。都市伝説ならぬ田舎伝説じゃなかったんだ念仏講!というくらいにカルチャーショックを受けました。
長いお数珠を念仏を唱えながら円座でぐるぐると手繰っている風景など、本当に今の川崎で行われていることなの?と、映画を観たあとでもちょっと信じられない気持ちでいます。映画みたい。。。いや、映画なんだけど、でもこういう映画じゃなくて、もっと別の。。。

講が終わると”なおらい”と云って参加者にもてなしが出るのですけれど、そのおかみさんがまた大変素敵な方で、「私はこういう農家にお嫁に来たかったんです。自分が活かせるのはそういうこと(モエル注:手仕事や野良仕事や料理や、そういう意味だと思います)でしかできないから。だから今は幸せです。」とニコニコしながらおっしゃるのです。

それから魅せられたのは初山獅子舞といって天狗が先導する獅子三匹による舞です。
この獅子舞を、今はなくなってしまった神社の跡地に奉納した映像がとてもよかった。神社がなくなった理由と云うのが明治政府による「神社合祀令」ということで、国策により祈りを奪われた庶民なんだけれども、風習は廃れることなくこうして残っていることに人の気持ちの力強さを感じました。
このお祭りは10月にあるそうなので、機会があれば観にいきたい。お獅子の舞もそうだけど、天狗の天晴れな舞を自分の目で観てみたいと強く思いました。

さて、私が映画全体を通して思ったことは一言で言えば「ギャップ」です。
小倉さんが最初の映画からずっと追いかけている地元の古くからの風習や暮らしやまつりごと。まず知らなかったことが非常に多くてそのこと自体に驚くのですが、では知った後にはどうするのかといえば、やはりその世界とは一線を隔して暮らし続ける自分がいるわけです。
たとえばお祭りひとつをとっても、ただ見ている分にはあぁいいな素敵だなと思うけど、そこに参加しようとまでは思わない。農家のお嫁さんの畑仕事なんかもいいなと思うけど、せいぜいベランダでシシトウを育てるのが手一杯です。
なにか始めてそれを続けさせる覚悟が私にはないのですね。もちろんなんでもかんでも古いものがいいものだと手放しで思うわけではありませんが、しかし、改めてあのお嫁さんの潔さにはカウンターパンチを食らった思いです。

でも、このギャップを感じたということに意味があるのではないか。全く知らないでいることと、知りながらもギャップを抱えて生きていくこととには大きな差があるのではないか。
そんな意味としても、小倉さんにはどんどんと新しい世界あいや古い世界か?私の知らない世界を見せていって欲しいと思うのであります。

100725a.jpg

映画のあとのトークショーでの小倉さんと由井監督(男前)。

小倉さん、由井さん、素敵な作品をありがとうございました。
次回作の構想もすでにあるらしいので楽しみにしておりますよ!

(日記タイトルの「人は分からないものに祈る」は、『うつし世の静寂に』を観た哲学者:内山節さんの言葉より。びんびんキました。)

『うつし世の静寂に』は今後たくさんの上映会を企画しているそうです。
興味を持った方はこちらをどうぞ。

Posted by moerux
Category : 映画
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