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痛い、ピストン押下、痛いピストン押下、痛い、ピストン押下の繰り返しで明けた一夜。
しかし、朝の検温時に看護師さんが、もう今朝からは押しちゃ駄目と鬼のようなことをおっしゃるのです。それはなぜかと言うと、今日の回診で先生に見ていただいたあとは内服の痛み止めに切り替える予定なので、その時に麻酔の効果が残っていてはいけないからと言う理由。
んなこと言ったって痛いものは痛いんです、どうしてくれるのですか。と泣きつくとどこかでなにやら相談してきた結果点滴の方に別の痛み止め薬を入れてくれました。
ところがそれが待てど暮らせど効いて来ない。回診は10時過ぎ。まだ朝の7時。それまでこの痛みに耐えろって言うのですか。
とにかく痛みは我慢するなと入院前からいろんな方からアドバイスいただいていたのでここは引いちゃいけないとまたナースコール。
今朝は私の一番好きなミニダンプのようなよく働く看護師さんで、じゃぁ一回だけですよ自分でやっちゃダメですよと念を押しながらピストンを入れてくれました。
とたんにすーーーーっと天使が通る背中。
ふー。
ありがとうありがとうミニダンプよ。
10:00。回診。この病院がそうなのか、どの病院でもそうなのかわかりませんが、回診は毎日違う先生が見えます。その日出勤の先生が全部の患者を見て回る方式らしく、執刀医とは別の先生が見えました。
傷口を見ていただいて、管から流れ出る血(ドレン)の量を確認して、
「ガスは出ましたか?」
「まだです」
ガス。つまりオナラ。
オナラが出れば腸が順調に活動している証拠なので、それ以降食事も摂っていいそうなのですが、それが出ない。自慢じゃないがオナラなんてそう簡単に出ませんよ。アタクシを誰だと思ってるんですか。
昨日も丸一日絶食だったので、かなりお腹が減っているのですが、今朝からは水を飲んでも良くなったので、空腹感はだいぶまぎれます。
そしてこの回診で心電図のコードを外していただきました。
酸素マスクは昨夜のうちに外れたので、後はベッドの右側にタンクが設置してあるドレン管と尿道の管。ベッドの左側にある点滴。ベッドの上の顔横においてある風船。
これらを引き連れながらのお祭り騒ぎのような寝返りは、痛みも伴ってかなり壮絶な図柄です。
寝返りなんて、普段意識してないけどなー。
寝返りしないと、下になっている背中とかお尻とか脚とかが痛くなってきちゃうんですね、知らなかったよ。
そんな寝返りに苦心している私に鞭打つように、午後からは徒歩の練習をさせられました。
昨日腹切ったばかりなのにもう立って歩く!噂には聞いていたけど本当だったのですね。
これも意味があって、手術したお腹の中が癒着しないように運動させるのだそうです。それからガス出しのためにも歩いたほうが良いそうで、看護師ミニダンプが付きっ切りで歩くお稽古を手伝ってくれました。
まずはベッドから立つところまでを、背もたれを20分くらいかけて数段階に分けて起こしてゆきます。ずっと寝ていたのでいきなりだと頭がくるくるしてくる。
そして、ここからが大仕事。
先ほど書きましたとおり私には沢山の管がつながっているので、その子分達も一緒に付いて来てもらわないといけないわけです。
点滴の柱にオシッコ袋とドレン袋を結び付け、更に風船玉を首からぶら下げ、さあ準備完了です。
ベッドの手すりにしがみつきながらゆっくりと立ち上がる。(立った立ったクララが立ったぁーーーっ!)
そして点滴柱を杖代わりにそうぅっと歩き出しました。
同室のオバチャンたちも、あんよは上手お転びお下手の体で笑って見守ってくれています。
まずはトイレまで行って見ましょう。
よちよち、よちよち。
はい、もうそのへんで戻ってきましょう。
よちよち、よちよち。
この距離、行って帰って10メートルほど。
さすがに一升瓶一本以上の血を失った身体らしく、頭がふぁーっとしてきました。
「どうですか、大丈夫そうならオシッコの管を外しますよ」
「い、いや、まだちょっと」
この日は夜までに3度ほど歩く練習をしましたが、なかなか自信が持てず結局オシッコ袋はそのまま。
そしてとうとう一日中ガスも出ず、昨日から通して丸二日間の絶食になったのでありました。